カナダでの3ヶ月を日記風に綴ります

ジョナサンデミ

[voyage]
2016年7月1日(金)〜2016年9月28日(水)の3ヶ月間、初めて長期間の海外滞在をしてきました。
カナダのトロントモントリオールです。
※右の写真は、トロント国際映画祭で登壇したジョナサン・デミ監督(左)。




とても楽しく充実した3ヶ月間を、備忘録を兼ねて日記風に記載していきます。

その前に、すでに2年も前の話しとなってしまったので、まずはざっくりとした感想からから始めます。



●断言すると、3ヶ月は短かった!
今まで過ごしてきた3ヶ月がこれから実ろうとしている、これから本当の生活が始まる!
という時期に帰国しなければならないなんて、、、という感じでした。また行きたい!



サバティカル休暇を取得してよかった
勤務している会社の「サバティカル休暇」という制度を利用して3ヶ月間カナダにいました。

勤続10年以上の人が、最短1ヶ月〜最長3ヶ月の期間で「キャリアを考え直す目的」として
会社を離れて生活する(休める)制度です。

会社員生活をなんとか10年間ふんばってきたので、
この際だから思い切って海外で過ごそう!・・・と半年間、熟考した結果、決意しました。



●海外で過ごして本当によかった
本来の自分の性格に自信が持てました。
物怖じしない、好奇心旺盛、とりあえずやってみる、でもちょっと臆病、
という長所短所のバランスが心地よい形で過ごせた3ヶ月でした。

会社生活では一日9時間、自分を押し殺すので、心地よいバランスを見失いがちですからね。
能天気な私が「鳥になりたい…」と無意識に呟いていたのですから、本当にヤバかったです。



●滞在先選びの条件
貸与PCとスマホを返却し、給与ナシの3ヶ月になります。
その上、家賃と生活費がダブルで出費する(日本の家賃と海外滞在費)ので、
いつ、どこで、どうやって過ごすか、すごく悩んでカナダのトロントに決めました。
条件はこちらです。


・物価が安い→100円=80カナダドル
・映画祭がある→トロント国際映画祭
・都会→と言われている
・映画祭が近郊でも開催される→モントリオール世界映画祭
・治安がよい→夜の散歩ができる



●カナダを選んでよかった
本来の自分の性格を思い出してその状態で3ヶ月間過ごせたのは、
移民を多く受け入れているというカナダだったからかもしれません。
いい感じで他人に干渉しない、でも人としての思いやりはある、という
「絶妙な距離感」で生活している人が多く、過ごしやすかったのです。


そんな距離感の中で感じたのは、
「1番でなく2番でいいっす」という空気感です。


例えば、道路が微妙にいつも舗装中、駅は階段のみ(スロープがない)、
交通機関のチケットは懐かしのコインなどなど。特に不便ではないけれど、
すごく困っているわけでもないので、このままでいいかな、みたいな空気感。


もしかしてこれはカナダと国民との「絶妙な距離感」なのかも。
様々な目的のために短中期の滞在者が多くいるので、
命に関わるか事には即決すべきか否かの判断ありきだと思うけど、
頃合いを見ながら適宜良しなに、という、効率的な考え方かもしれないです。


ガツガツしていないので過しやすそうですが、
逆に見れば、そのうち良くなるという待機状態が長期間あるので、
それはそれでやっかいそうですが、3ヶ月のカナダ生活は過しやすかったです。


総じて
「シンプルに考えれば今すべきことが見えてくる」ということじゃないかなと思っています。
そんな気持ちで毎日過ごすようになれたので、窮屈な会社生活も折り合いをつけられるようになりました。

さて、日記風スタートします。

「心を揺さぶる感動と爆笑が入り混じる面白い映画と音楽と旅メモ」

SNSで簡単に片付けてしまうようになっていた映画紹介や旅メモについて、
改めてちゃんとこの場で展開しようと突如決意。近く更新します。

「心を揺さぶる感動と爆笑が入り混じる面白い映画と音楽と旅メモ」がベースですが、
まずは、昨年2016年7月から9月末まで、トロントモントリオールでの3ヶ月滞在の記録を展開予定。カナダ恋しい。。。

第18回釜山国際映画祭 6日目

the dinner

ライターの知人が釜山入り。本当は昨日の予定だったけど、台風なので今日になりました。エア・アジアがキャンセルになり、大韓航空を予約して昨日の夜に釜山入りするつもりが台風のため大幅時間変更、ということで今朝になったそうです。お疲れ様です。。

本日は、大好きなフランス人女性監督クレール・ドニの『bastards』と台湾監督ツャイ・ミンリャンの『Stray dogs』を観るぞ!と思っていたけど、せっかく知人がいるので一緒に過ごすスケジュールに変更しちゃいました。

まずは一緒にランチ。新世界デパートにあるソウルで大人気のサンドイッチ屋「buccella」へ。肉サンドをチョイス。パンがモチモチしていておいしかったです。91000ウォンなり。

プレス試写『the dinner』(写真)
映画祭のクロージング作品。このあとの記者会見を記事にしているので、詳細はそちらでどうぞ。

■「クロージングは初のインディペンデント映画 チケットは4分で完売」
http://www.cinematoday.jp/page/N0057215


会見の後、時間が合った柳楽くん主演の映画『ゆるせない、逢いたい』を鑑賞。よい映画でした。
『ゆるせない、逢いたい』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=BV19fIR-F9U

第18回釜山国際映画祭 5日目

our sunhi

本日は台風! 昼すぎからものすごい風と雨。冗談のようにずぶ濡れになりながら会場を回っておりました。そして誕生日でした。大好きなホン・サンス映画を2本観れたよ。はは。

▲『ANA Arabia』アモス・ギタイ監督。
イスラエルに取材に来た女性による会話が映画になっているスタイル。テーマは愛。日常会話も検閲される恐怖に怯える生活だからこそユーモアの多い会話になるんだなとか。世界を知る機会となる映画でした。
ANA Arabia』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=VjVoiBtb0aU


▲『fasten your seatbelt』ハ・ジョンウ監督
『哀しき獣』などの人気俳優ハ・ジョウの初監督作品。韓国でのタイトルは「ローラーコースター」。主演映画のプロモーションを終えて日本から韓国に帰国するために飛行機に乗ったアイドル俳優が巻き込まれるでぃざすたーパニックコメディ。有名人にしか分からないストレスも笑いに盛り込んだ楽しく観れるコメディでした。ハ・ジョンウ本人は声のみの出演。
『fasten your seatbelt』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=9JU61kPGQr0


▲『Nobodey's daughter haewon』ホン・サンス監督
フランスでも人気のホン・サンス監督の新作。ジェーン・バーキンが冒頭に少し出てました。カナダ育ちの韓国の女子大生へウォンが母がカナダに帰国した後の彼女を描く。学生仲間とうまく打ち解けられず、将来を漠然と不安に感じている彼女は元カレや古本屋で出会った魅力的な男性や知人夫婦などとたわいもない会話をしながら、少しだけ一歩を踏してみる様子がホン・サンスらしい映画。
『Nobodey's daughter haewon』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=B_QGe1Usr2g


▲『Our sunhi』(写真)ホン・サンス監督
本日2本目のホン・サンス監督作品。こちらは主演女優のチョン・ミンが舞台挨拶に来たので取材しました(監督がキャンセルなって残念)。
■「韓国の異才ホン・サンス監督の新作が上映 主演女優が舞台あいさつ」
http://www.cinematoday.jp/page/N0057219
『Our sunhi』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=lchbITFYVWo

第18回釜山国際映画祭 4日目

許されざる者会見

本日は、依頼されていた『許されざる者』記者会見を取材しました。
渡辺謙ら釜山で会見 イーストウッドはリメイクあっさりOK?(写真)
http://www.cinematoday.jp/page/N0057090

▲映画鑑賞は『the fifth estate』。ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジがいかにしてハッカーの世界からメジャーメディアを巻き込んでいったかを描く映画。『スタートレック/イン・トゥ・ダークネス』で来日もしたイギリスの俳優ベネディクト・カンバーバッチ主演。おもしろくできているけれど、アップル社のスティーブン・ジョブスを描いた『ジョブス』といいこの作品といい、人として非常識な感覚のある天才の物語だと分かっているので、ドラマとして共感する要素がないとモノマネ映画以上にならないな、、と感じます。とはいえ『ジョブス』よりは面白かった。
『the fifth estate』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=ZT1wb8_tcYU

▲夜はベルギー映画『the strange colour of your body's tears』を鑑賞。メイン画像が魅力的だったので観てみたが謎すぎで分からなかった。。。男が出張から戻ってきたら妻が行方不明になっていた。住んでいるマンションは以前にも失踪事件が起こっていたことを知った男が真相を探ろうとする妄想映画。
音楽は最高。イタリアの映画音楽で有名なエンニオ・モリコーネとかブルーノ・ニコライの曲を使いまくっているのだから。60年代から70年代の才能爆発時代の彼らの曲は本当にかっこよいことを再認識しました。それだけの謎映画でした。。
『the strange colour of your body's tears』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=wCyrlR2iRnE

第18回釜山国際映画祭 3日目

ポン・ジュノとソン・ガンホ会見

ポン・ジュノ監督のハリウッドデビュー作『スノーピアース』のプレス試写と記者会見! 『雪国列車』というタイトルで韓国で先行上映され大ヒットした映画。このタイトル、ほのぼの物語に感じるけど、思いっきりSF映画です。笑いと社会性を見事にエンタメにするポン・ジュノ監督と歳を重ねるごとにいい感じになるソン・ガンホは、やっぱり素晴らしかったです。詳しくは記者会見の記事をどうぞ。

ポン・ジュノ監督のハリウッドデビュー作が上映 ソン・ガンホとQ&Aに登場(写真)
http://www.cinematoday.jp/page/N0057087
予告編はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=uSSHKp7KHrE

英語の通訳を記事にするのは、一年ぶりということもありちょっと時間かかりました。夜は、Asian Film Market & BIFCOM opening receptionなるパーティに参加。フランス系のホテルであるNOVOTEL AMBASSOR ホテルでおいしいただ飯いただきましたw。

そこで俳優の柳楽優弥さんと少しお話しました。主演した映画『ゆるせない、逢いたい』の舞台挨拶と『許されざる者』の会見のために来たそうです。