本日の試写

tofu22004-08-29


■『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』[MONSIEUR IBRAHIM ET LES FLEURS DU CORAN]2003年/フランス/95分/フランソワ・デュペイロン監督/出演:オマー・シャリフ、ピエール・ブーランジェ、イザベル・アジャーニ


幸せに暮らすための、小さいけれども大切なことが、たくさん詰まっている映画。こそばゆくなるほど恥ずかしいセリフなのに、含蓄と包容力のある力強くてやさしい言葉に聞こえるのは、オマー・シャリフの存在感ゆえ。


「金持ちは幸せだからいつも笑ってる」と言うモモに、「笑っているから幸せになるんだ。辛い時ほど笑顔を見せなさい」と切り返すイブラヒム。


失恋したモモに言う言葉も含蓄があって素晴らしい。


「相手が心変わりしても、お前の気持ちはお前のものなんだ」とイブラヒム。好きだという気持ちはどんな時でも自分のものなのだ。


パリのブルー通りに住む幼いモモが、食料品店のイブラヒムおじいさんと親しくなり、たくさんのことを学んでいく。街の娼婦とのやりとり、初恋、失恋、家族との関係。毎日当たり前のように出会う人たちから、いつの間にか大人になるための、人生を豊かにするための大切なことを学んでいくモモ。説教くさい映画じゃないんだけど、恥ずかしげもなくそんな感想を持ってしまう良い感じの映画。


60年代のパリを舞台にしているので、当時パリで流行っていた音楽がガンガン流れてくるのもいい感じ。イエイエなフレンチもあるし、アメリカのロックもあるし、ノーザン・ソウルな感じもある。bobby hebbの「sunny」は、どんな時でもいい雰囲気になる名曲だな〜。ということで、サントラをいただく。うれしいです。あ、『うつくしい人生』のエリック・カラヴァカ氏も登場してた。