2003年 芸術の秋! アートな映画を召し上がれ

tofu22004-08-27


ボリュームたっぷりで大味なステーキみたいなハリウッド大作は、もう飽きた? そんなあなたにぴったりの、アートな秋メニューをご紹介します。甘さくてほろ苦いショコラのような大人味が楽しめる映画を召し上がれ。


【スウィート派のあなたに…】


ラブ・ストーリーの決定版! オードリーの美しさをスクリーンで。
ローマの休日/製作50周年記念デジタル・ニューマスター版』9月13日よりテアトル タイムズスクェアにて公開
http://www.roman-holiday.jp/



【ストーリー】ローマを訪問中のヨーロッパ最古の王位継承者であるアン王女は、忙しい公務に嫌気がさし、宮殿を抜け出してしまう。路上で眠ってしまったアン王女を見つけたのは、新聞記者のジョー。渋々一夜の宿を提供したジョーは翌日、会社で彼女の正体を知る…。


【見どころ】世紀を越えて世界中の人から愛されているラブ・ストーリーの最高傑作。オードリーが演じるアン王女としての凛々しさと、ローマの観光名所を巡る恋する女性の可愛らしさに、誰もが魅了されるハズ。そして表情だけで情感を表現するラスト・シーンの素晴らしさ。ぜひスクリーンで。



ニュージーランド版『風の谷のナウシカ』! 世界の映画祭で観客賞を総ナメした感動作。
『クジラの島の少女』9月13日より恵比寿ガーデンシネマにて公開
http://www.herald-arthouse.com/


【ストーリー】ニュージーランドの小さな町。クジラに乗ってやってきた勇者伝説を信じるマオリ族は、族長の後継者は代々男というしきたりがあった。そんな族長の家系に生まれたパイケアは女の子。落胆した祖父は、新しい後継者探しに躍起になる。しかしパイケアは、マオリ族の後継者として役に立ちたいと願い…。


【見どころ】『ロード・オブ・ザ・リング』の舞台と同じ、ニュージーランドで生まれた感動作。トロント、サンダンス、ロッテルダムなど、世界の映画祭で観客賞を受賞している話題作で、ニュージーランド版『風の谷のナウシカ』と言われている。



■フランスの自然豊かな田舎町を舞台に、先生と子供の交流を美しく綴ったドキュメンタリー。
『Etre et avoir ぼくの好きな先生』9月20日より銀座テアトルシネマにて公開
http://www.bokusuki.com/



【ストーリー】フランスの自然豊かな田舎町。ここの学校には先生がたった一人。ベテラン教師のロペス先生だ。幼い子供から思春期を迎える高学年までを一人で教えている。先生は、いつもやさしくて時には厳しい。生徒たちはみんな、先生が大好き…。


【見どころ】フランス、オーベルニュ地方の小さな学校を舞台に、先生と子供の交流を美しく綴ったドキュメンタリー。監督は『音のない世界で』で世界各国から絶賛されたニコラ・フィリベール。すべての生徒に一貫した態度で接するロペス先生の姿はストイックで清々しい。



■『エリザベス』のシェカール・カプール監督最新作! 壮大なスケールで描く感動巨編。
サハラに舞う羽根』9月20日より日比谷映画他全国東宝洋画系にて公開
http://www.saharanimau.jp/saharanimau/



【ストーリー】戦場へ派遣されることになったエリート士官ハリーは、戦うことへの疑問から軍を除隊する。友人や恋人から臆病者の象徴“白い羽根”を送りつけられるハリー。しかし、異国で苦戦する親友を救うため、一人で戦地へ向かう決意をする…。


【見どころ】『エリザベス』で注目されたシェカール・カプール監督最新作。古典小説を映画化したスペクタクル巨編。19世紀末のイギリスと広大なサハラ砂漠を舞台に、一人の青年が本当の戦いの意味を見つけるまでを描く。主演は『ROCK YOU!』のヒース・レジャー


■パリを舞台に、年齢の違う二人の女性の交流を通して描く人間ドラマ。
『夕映えの道』角川大映9月20日より岩波ホールにて公開
http://kadokawa-daiei.com/yuubae/


【ストーリー】イザベルはパリに住む実業家。ある日、偶然出会った老女マドを家まで送る。それ以来2人はお互いに心を許す友人となる。忙しい日々を送るイザベルは、マドとの交流によって自分の生き方が変わっていくことに気づき始める。そんなある日、マドが重い病に冒されていることを知る…。


【見どころ】年齢の違う2人の女性が、互いを通して人生を見つめる人間ドラマ。イギリスを代表する女性作家ドリス・レッシングの原作を映画化。頑固で孤独な老婦人とキャリア重視の女性との不思議な交流を、パリの街を背景に描く。



【ビター派のあなたに…】


■80年代のアメリカを舞台に、抗うつ剤プロザック”の発売当時の世相を描く。
私は「うつ依存症」の女』9月13日よりシブヤ・シネマ・ソサエティにて公開
http://www.utsu-movie.jp/


【ストーリー】若くしてライターとして才能を認められたリジーハーバード大学に通い始めた彼女は、多大な期待や両親との確執など、様々なプレッシャーにより、自らの身体を傷つける行為をするほどの「うつ」症状に陥る。見かねた精神科医が処方したのは「プロザック」という、抗うつ剤だった…。


【見どころ】作家エリザベス・ワーツェルの自伝的作品の映画化。心に抱える不安や絶望感と立ち向かいながら生きていく少女を演じたのは、本作で共同製作も務めたクリスティーナ・リッチ。監督は『不眠症 オリジナル版-インソムニア』で、高い評価を得たエーリク・ショルビャルグ。


■パンク魂の雄、アレックス・コックスが描く、近未来ゴシック・ホラー!
『リベンジャーズ・トラジェディ』9月13日よりユーロスペースにて公開
http://www.cablehogue.co.jp/revengers/index2.html


【ストーリー】2011年。彗星の衝突によりヨーロッパはギャングが蔓延り荒廃していた。10年前、ギャングのボスに妻を殺されたヴィンディチは、復讐に心を燃やしこの街に帰ってきた。妹や兄を駆使してボスの懐に潜り込み、ヴィンディチの復讐が始まった…。


【見どころ】『レポマン』『シド・アンド・ナンシー』などパンク魂を持つアレックス・コックス監督による、17世紀の戯曲「復讐者の悲劇」の映画化。舞台を近未来のリヴァプールに設定し、ゴシック・ホラーを思わせる重厚な映像で、コックス独自のブラック・ユーモアが炸裂する快作。



■『アレックス』のヴァンサン・カッセル主演! ハード・ボイルドなラブ・ストーリー
『リード・マイ・リップス』9月20日より渋谷シネマライズにて公開
http://www.saharanimau.jp/saharanimau/index.html



【ストーリー】無味な雑務に追われるOLカルラは、難聴というハンディキャップを抱える孤独な女性。アシスタントを雇うように指示された彼女は、前科者のポールを雇う。ある日、昇進のチャンスを同僚に横取りされた仕返しをポールに依頼する…。


【見どころ】『オーシャンズ12』に出演が決まったフランスの若手俳優ヴァンサン・カッセルが初めての汚れ役を演じたスリリングなサスペンス。難聴ゆえに読心術ができる孤独な女性と、裏街道を生きる荒くれ男との奇妙で危うい距離感を、ハード・ボイルド・タッチで描くラブ・ストーリー


■ハリウッドの伝説的プロデューサーが明かす、裏アメリカン・ドリーム!
くたばれ!ハリウッド』9月20日よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズにて公開
http://www.kutabare.com/kutabare/index.html


【ストーリー】俳優を目指す20代のロバートは、ハリウッド見学にやって来た。そこで目にした撮影風景に衝撃を受けたロバート。10年後、彼はプロデューサーとなってハリウッドに帰ってきた。閉鎖寸前のハリウッド・スタジオを再建し、ヒット作を次々に生み出す彼のアメリカン・ドリームの裏にあるものとは…。


【見どころ】ハリウッドにおける伝説であり現役のカリスマ・プロデューサー、ロバート・エヴァンスのドキュメンタリー。70年代のハリウッドに彗星のごとく現れ、30代にしてパラマウント社のプロデューサーとなった彼の自伝『くたばれ!ハリウッド』の映画化。ハリウッドを震撼させて“エヴァンス神話”がここに!



ラリー・クラーク監督×ハーモニー・コリン脚本! アメリカの中流階級の静かなる狂気を描く。
『Ken Park』9月27日よりシアター・イメージフォーラムにて公開
http://www.herald-arthouse.com/


【ストーリー】閑静な郊外の住宅地に住む10代の若者たち。マッチョな父に反発し家を出る少年、恋人とその母親の両方と関係を持つ少年、敬虔な父へのプレッシャーに抑圧される少女…。ガールフレンドから妊娠を告げられたケン・パークは、いつものように公園に行く。そこで無表情のまま、銃で自分の頭を撃ち抜く…。


【見どころ】『KIDS/キッズ』のラリー・クラーク監督が、『ガンモ』のハーモニー・コリンの脚本で、『シモーヌ』のエド・ラックマンを撮影監督に迎えて、アメリカにおける中流階級の家庭の狂気と混乱を描く。若者が直面する家族との軋轢、ドラッグやセックスの問題をリアルに映し出す。