アレキサンダープラッツ

tofu22004-11-09


ボーン・スプレマシー*1
アメリカ/108分/2004年/監督:ポール・グリーン・グラス/出演:マット・デイモンフランカ・ポテンテジュリア・スタイルズカール・アーバン


マット・デイモン、いいキャラクター見つけたな。これ、続編がどんどん観たくなるもの。CIAも知らない超極秘プロジェクトを遂行するために生み出されたエージェントの最高傑作、ジェイソン・ボーン君が、とあるミッションをちょっとばかし失敗して、ついでに記憶喪失になってしまって、とはいえ、体で覚えた最強の肉体と知能はジェイソン・ボーンの身体に染みついているわけで、ってことは極秘プロジェクトチームとしては、彼がいつ記憶を戻して、何をしでかすかわからないから、抹殺しなきゃってことになって、元上司たちに命を狙われることになる。でもボーン君はその理由が分からず、最強の知能と肉体を駆使して、地の果てまで逃げまくる、ってのが前作『ボーン・アイデンティティー』の話。


今回はその続編。前作で逃亡に協力してくれた女性と結婚して、インドでヒッソリと暮らしていたボーン君が、何故か命を狙われる。謎の組織から命を狙われるハメになったボーン君は、「プリーズ・リーヴ・ミー・アローン状態を壊したら、お前たちを殺す」と言ってあったので、事件に巻き込んだヤツらを追って、再び最強知能を駆使して、自身も知らない超極秘ミッションの陰謀を暴こうと動き出す、ってのがこの映画。


前作と違う点は、観客が、ボーン君が最高傑作のスパイだと分かっていること。だから、謎解き部分も重要だけど、カーアクションがトコトンかっこよくなっている。インドのゴア、イタリアのナポリ、ドイツのベルリン、ロシアのモスクワと、都会の中を超絶テクで走りまくり。前作同様に、運転しながら地図みたりしてるリアルさもありつつ、ボーン君の超人的集中力で駆使するドライバーテクと、ドライバー視点のアングルの迫力ったらすごいです。それで、ベルリンの街では、アレキサンダー広場がポイントなんだけど、今年ベルリン映画祭に行った時に泊まったホテルの目の前なんで、おお!あそこじゃん!とか思って観れたのが、ちょっとおもしろかった。


監督は、ポール・グリーングラスって人。U2の曲でお馴染み、72年に北アイルランドで起きた惨劇「血の日曜日」のドキュメンタリー「ブラディ・サンデー(文下写真右)*2」を撮った人らしい。そうです、前作の監督・脚本だったダグ・リーマンは製作総指揮になっている。理由は、新作『Mr & Mrs Smith』を監督するため。この映画はブラピとアンジェリーナ・ジョリー(写真)がお互いを殺す任務を担った夫婦を演じるとか。ダグ・リーマンだから、妙なディテールにこだわったおもしろい作品になりそう。

で、『Mr & Mrs Smith』の予告編*3観たら、ちゃんとヴィンス・ヴォーンもいた!監督の出世作『スウィンガーズ(文下写真左)』仲間だからね。そういえばジョン・ファブローも気になるけど、最近いないね。って『スウィンガーズ』ってのは、おもしろい映画なんだけど、やっぱ、妙なテンポがあったのは確か。その妙な具合が『ボーン・アイデンティティー』にもあって、それは、彼ならではのこだわりからくるんだと、今になって気づいた。好きか嫌いかが別れるところでもあるけど。


それにしてもブラピっては、インディーズ出身のおもしろい監督を目ざとく探して出演するよな。もっとメジャー作品の脚本がわんさか送られてきているはずなのに…。まあ、そんなブラピだから、エドウィンのCMもやっちゃうし、そこがおもしろいんだけど。